関節の痛み・こわばり・腫れといった「関節リウマチ」の症状を疑った時、まずは整形外科を受診される方が多いのではないでしょうか。もちろん、リウマチに精通した整形外科の先生もいらっしゃいますが、私は内科医という立場から、リウマチ・膠原病の診療・研究に長年携わっている専門医です。関節リウマチは、膠原病の中で最も患者数の多い疾患で、専門医でなければ治療は困難と言われています。しかし、リウマチ専門医は全国的に不足しており、入院症例を受け入れる病院も少ないのが現状です。
私は、地域に不足しているリウマチ・膠原病分野の診療を充実化すべく、専門外来を開設して入院診療も行っています。関節リウマチの治療は近年著しい進歩を遂げていて、発症初期に発見できる検査や、進行を抑える新薬なども開発されていますので、ぜひ早い段階で専門医を受診して欲しいと思います。
リウマチ・膠原病は、早期発見・早期治療が非常に重要です。関節リウマチの代表的な症状である「手・足の変形」は、実はかなり進行した状態で、変形の矯正には手術が必要です。「起床時の手の動かしにくさ」「2週間以上続く微熱」など、小さなサインが出た時点で受診するのが理想であり、当院では診断に、血液検査・レントゲンに加えて、専門性が高く実施医療機関が限られている「関節エコー検査」を導入しています。この検査は関節滑膜の炎症の状態まで観察できるため、診断が難しい初期の関節リウマチの発見に大変有用です。
また、関節痛や倦怠感、発熱、食欲低下など、一見、関節リウマチの初期症状のように思える場合でも、検査で別の膠原病と診断されることがあります。中でも、「全身性エリテマトーデス(SLE)」を発症している方は珍しくなく、合併症で腎臓に炎症が起こると透析導入に至る場合もあるため、治療に力を注いでいます。
膠原病の症状・程度は千差万別で、似たような症状でも病名が異なったり、同じ病名でも症状が異なったりすることがよくあります。そのため診断が難しく、内科の中でも高度な専門性が要求されます。当院は東埼玉地区では数少ない常勤の専門医がいる病院です。「医師が週に1度しか来ていなくて相談できなくて困る」という心配も、「入院には対応してもらえない」という心配も、当院ならありません。「膠原病=難病」というイメージがありますが、早期発見で進行を食い止められるケースが増えていますから、他院では診断未確定の症状や、原因不明の発熱なども、セカンドオピニオンの目的で受診して欲しいと思います。
また、リウマチ・膠原病は完治が難しい病気ですから、慢性期の患者様に病気との上手な付き合い方を伝えることも、専門医の大切な役割です。感染症の予防など、日常生活における注意点なども詳しく指導しておりますので、お気軽にご相談ください。
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○総合内科専門医 ○リウマチ専門医
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2011年東京医科歯科大学卒業。
同学膠原病・リウマチ内科に入局し、青梅市立総合病院や東京医科歯科大学附属病院で研修し、みさと健和病院や武蔵野赤十字病院で外来を行ってきました。2018年は草加市立病院で膠原病内科医長を務めておりました。
日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会のリウマチ専門医の資格を持っています。日本透析学会や日本リハビリ学会でも勉強しており、幅広い患者さんに対応できるよう研鑽を積んでいます。